A creative studio focused on brand strategy,
visual identity, CGI, key art, packaging, and film.
MIMAKIは紀州みなべ産の南高梅を使用した高級梅干しブランドです。目利きの梅干し問屋が厳選した梅干しを使用しており、今では多くのファンがついています。ブランド立ち上げ前の2020年に「他にはない梅干しブランドを作りたい」というブランドオーナーの依頼から本プロジェクトがスタートし、ブランドロゴの開発から各種パッケージデザインまで全体のアートディレクションを手掛けています。
ブランドリサーチ
「他にはない梅干しブランド」とは。まずは他社のリサーチから始めました。するとほとんどの梅干しのパッケージは筆で書かれた商品名やイラストなどで和のイメージを強調した商品が多いことがわかりました。同じような和のテイストでデザインを進めても競合商品の中に埋もれてしまい、新参者のMIMAKIは手に取ってもらう機会が減ってしまうと考えました。そのためMIMAKIは他ブランドとの差別化を図るために和のイメージを排除していくことに決めました。
ビジュアルアイデンティティ
食品などのパッケージデザインが主役となる分野に関しては、ビジュアルアイデンティティの構築とパッケージデザインを並行して考える必要があると感じ、同時進行で作業を行いました。この分野ではロゴ単独で使用されるよりもパッケージにレイアウトされた状態で使用されることが圧倒的に多いため、ロゴだけを先行して作成しては、後で不都合が起きる場合もあると考えたためです。そうしてデザイン作業を進め、さまざまな検証を行う中で出てきた案が、梅干しを抽象図形でマーク化し、そのマークをそのままラベルとして瓶に貼り付けてしまうというものでした。フレーバーは3種と決まっていたので、マークの色と形を3パターン作りフレーバーごとの違いが一目でわかるようにしました。VIとパッケージデザインを並行して進めたからこそ生まれたデザインです。
商品の横展開
瓶のデザインが決まったあと、ギフトボックスのデザインに取り掛かりました。瓶はポップなトーンのデザインとなったため、ギフトボックスは極めてシンプルなデザインにするべきだと考えました。しっとりとした手触りの白い紙にロゴタイプを金の箔押しで施すだけ。そして金の箔押しを隠すように3色のシンボルマークがあしらわれた掛け紙を一枚巻き付けることにしました。シンプルなデザインのため箱を開けた時にポップな瓶のデザインとの対比をつくり、楽しい開封体験を生むことを狙っています。ギフトボックスには2個入りと3個入りがあり、掛け紙と箔版は流用しているなど、コスト面も考慮したデザインとなっています。
立ち上げ当初は瓶入りの梅干しのみのスタートでしたが、次第に口コミでに人気が広がり、大容量サイズや干し梅など別ラインの商品へと展開が広がっています。また、MIMAKIには健康志向の海外のファンも多く、「他にないキュートな梅干しブランド」とパッケージデザインの評価も高く、近日ニューヨークへでの販売が決定するなど海外での認知も徐々に拡がっています。