A creative studio focused on brand strategy,
visual identity, CGI, key art, packaging, and film.
千葉ロッテマリーンズは70年以上の歴史がある日本のプロ野球球団です。ZYLAはマリーンズのテレビ中継・オンライン配信の視聴体験のリデザインと、スタジアムの映像演出を担当しました。
2020年夏、Covid-19によりスタジアムでの観戦が禁止され、試合のオンライン配信の需要が高まりました。同時に、野球人気の衰退が叫ばれる昨今、マリーンズのクリエイティブチームは、若い世代の新規ファン獲得も視野に入れていました。多くの人がスタジアムにいるよりも快適に、臨場感ある試合を体験できるように、中継におけるグラフィックやモーションデザインの刷新を希望していました。
我々はマリーンズが野球中継において、業界を変える先進的なゲームチェンジャーになれるよう「マリーンズらしいモダンな中継体験」と「情報の分かりやすさ」を両立した放送用グラフィックの開発に携わりました。
課題とビジュアルアイデンティティ
従来のマリーンズのオンエアグラフィックは、チームカラーとは関係のない色が用いられていたり、理由のない形が使用されていたりして全体的に統一感がなく、洗練されていませんでした。そのため我々は、ビジュアルアイデンティティとモーションにおけるルールづくりからプロジェクトをスタートさせました。
ビジュアルアイデンティティはホームベースを着想とし、マリーンズの野球を体現するかのようなシャープでキレのあるフォルムを追求しました。また、モーショングラフィックへの展開も同時に考慮し開発していきました。
マリーンズにちなみ「波状攻撃」をテーマに、ロゴから派生した波状の力強いモーショングラフィックを想定しながら、グラフィック・モーション共にアイデアをデザインに落とし込んでいきました。「波」をテーマにデザイン展開をする事で、マリーンズオリジナルの、スポーツ中継らしい派手で力強い演出を可能にしました。
アイデンティティのカラー
マリーンズは伝統的に白と黒を基調とするチームです。このプロジェクトにおいても、他の有彩色を混ぜないことを原則にデザインを展開していきました。黒と白だけだと今後発生するグラフィックにおいて展開力に劣ると考え、2色のグレーを加え、展開物に自由度を加えました。
オンエアグラフィックへの展開
中継に表示される全てのグラフィックが規律と秩序を持って、試合開始から終了まで統一されるようにグラフィックを制作していきました。
スマートフォンでの視聴も考えうる為、ユーザーフレンドリーなデザインを意識しつつ、モダンでスタイリッシュな視聴体験を追求しました。約40種類ものグラフィックが1試合で表示されます。
スタジアムビジョンの演出
我々が提案したリブランディングが好評だった為、Covid-19による入場規制が緩和された時の為の、スタジアムの映像演出にも着手していきました。
スタジアムでは試合展開に沿ってサポーターの気持ちを高揚させる必要がある為、ロゴから展開したCGIなどを駆使し、グレースケールで統一しながらもスタジアムを興奮させる映像作りに尽力しました。
成果
TwitterやInstagramなどでリデザインが話題となり、Covid-19明けのスタジアムでは若い世代のファンが倍増しました。このプロジェクトにより、千葉ロッテマリーンズは日本野球界において、デザイン、デジタルを牽引する存在だという事を日本の野球ファンに印象付ける事ができました。