A creative studio focused on brand strategy,
visual identity, CGI, key art, packaging, and film.
「JAPAN 2021」は、イギリスの映画機関である英国映画協会による、2020年から2021年にかけてイギリス全土で実施された日本映画キャンペーンです。ZYLAはプロジェクトの核となるイラストのアートディレクションとプロモーションビデオを制作しました。
このプロジェクトは、100年以上の歴史を待つ日本映画の名作たちに焦点を当て、映画祭、オンライン展示、劇場公開、教育イベントなどを通じて展開されました。英国映画協会はイギリスのデザイナーではなく、日本文化に精通した、東京にベースを置く我々のようなデザイナーを求めていました。
我々は日本映画史に輝く小津安二郎、北野武、AKIRAなどの作品をモチーフに、伝統的でありながら現代的なプロモーションムービーを制作しました。我々がつくり上げたイラストのスタイルは、非常に強力で象徴的な広告キャンペーンを作り上げることを可能にしました。
課題と動画のクリエイティブディレクション
BFIは、日本映画史に残る名作たちを代表するキャンペーンを求めていました。彼らは日本の文化を現代的に表現し、イギリスの観客に魅力的に映るような方法で広告することを求めていました。
私たちは黒と白のマンガ風の世界観を考案しました。これにより日本の伝統的なインスピレーションをクールかつモダンな表現に落とし込む事が可能になりました。
動画に於いては、登場する各キャラクターの個性やキーとなるアイテムを活かしながら、シーンの乗り替わりや起承転結を意識して動画全体の流れを構想していきました。
プロジェクトの残した数字
イギリスに於いても「クールな日本文化」が伝わるよう意識し制作されたこのキャンペーンは、国内外のメディアをはじめ、Web、出版物、ロンドン市内の交通広告、映画館のスクリーンなどで放映され注目を集めました。
WEBインプレッション:67,723,943
メディア掲載:200以上
放送視聴者数:1,416,089
印刷物の発行部数:9,226,426
制作初期の絵コンテ。登場する各キャラクターの個性やキーとなるアイテムを活かしながら、シーンの乗り替わりや起承転結を工夫していきました。
イラストのアートディレクション
ロンドンのあらゆる場所で交通広告が展開されました。イラストは動画化する際に3Dモデルに落とし込むため、映画のキャラクターを力強く忠実に再現しながらも、2Dと3Dの表現が離れすぎない様にバランスをとりつつ制作を進めていきました。
成果と受賞
スタッツの通り、我々の制作したプロモーションムービーはイギリス社会において、Web、ブロードキャスト、交通広告を軸に強烈なインパクトを残しました。イギリスと日本、二つの国を我々の得意とするデザインで繋ぎ、イギリスにおける日本カルチャーの認知増進に貢献できた事を嬉しく思います。
そしてその取り組みが評価され、New Yorkのデザインアワード、“101st Art Directors Club(ADC)”においてブロンズを受賞することができました。キャンペーンの成功と共にアワードも受賞することができ、我々にとって記憶に残るプロジェクトになりました。